上下の歯の接触は、会話や食べ物を咬んだり、飲み込む時におきます。
1日の接触時間の合計は平均17.5分と言われています。何もしていないときは、上下の歯は接触していません。
普通の人は口を閉じていても、上下の歯の間には2~3mmの隙間があります。
これを安静位空隙と呼び、咀嚼筋は安静状態にあります。
咀嚼筋は安静状態でも筋肉の弱い活動電位があります。
上下の歯が接触すると、軽い接触でも咀嚼筋の活動が強まります。
この何もしていないときに、無意識に上下の歯を接触させる癖をTCH(Tooth Contacting Habit )といいます。
強い咬みしめは長時間続けることは難しいのですが、弱い歯の接触は気付かずに続けていることが多くあります。
少しでも歯と歯が接触すると筋肉は緊張し、血管は収縮して血流量は低下します。長時間にわたると筋肉は疲労します。
そして、肩こり、あごの痛み、歯や舌の痛み、歯周病の悪化などの症状を引きおこします。
基本的には緊張している場面でTCHは起こります。つまり、一時的に生じる精神的緊張(精神的ストレス)、習慣化した作業で集中するとき(パソコン)、精密作業、家事(そうじ・料理)、テレビ、コンピューターゲームなどの時です。
TCHあるかどうかチェックするには、舌の先端あるいは周縁部に歯の圧痕があるかどうか。頬粘膜に咬合線があるかどうか。唇と上下の歯を別々に動かすことが困難かどうかを観察します。
TCHのコントロールの仕方についてお話しします。
歯と歯が触れたら離す、の習慣化だけで改善されます。
STEP 1:自分で歯が接触すると咀嚼筋(側頭筋、咬筋)が活動することを認識します。
STEP 2:家や職場に「歯を話す」「力を抜く」などと書いたメモを多数貼ります。
STEP 3:歯が接触すると離す癖を作ります。気づくことにより、最終的には歯が接触すると条件反射で、無意識に離開させるようにしましょう。
TCH(Tooth Contacting Habit)のコントロール
歯科臨床
- 2018年7月15日