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HISA DENTALCLINIC
DIRECTOR’s BLOG

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歯性上顎洞炎

歯科に関して

今日は、歯の病気が原因で起こる歯性上顎洞炎についてお話しします。
例えば、目の下にある上顎洞と呼ばれる副鼻腔が、風邪やインフルエンザ、花粉症などがきっかけで炎症を起こすと、頬や歯のあたりが痛くなり、虫歯ではないかと感じることがあります。
一方、反対に歯の病気が副鼻腔炎(蓄膿症)の原因となる場合もあり、これを歯性上顎洞炎と呼びます。
上の奥歯(第二小臼歯、第一大臼歯、第二大臼歯)の歯根の先端が上顎洞のすぐそばに近接していたり、あるいは上顎洞に突き出している人がいます。
そのため、それらの歯で虫歯や歯周病が進行し、根の先端部分から上顎洞に細菌が入り込んで炎症が起こると、副鼻腔炎(蓄膿症)と同じような症状(鼻づまり、膿まじりの鼻水、顔面の痛みや腫れなど)が出てきます。これが歯性上顎洞炎です。
虫歯や歯周病以外にも、歯の治療の際に器具が一時的に上顎洞に飛び出してしまったり、抜歯の際に歯根が上顎洞に入ってしまうと、まれに炎症の原因となる場合があります。これも、歯性上顎洞炎に分類されます。
鼻が原因となって上顎洞炎を起こした場合は、両側に炎症が起こりますが、歯が原因となる場合は、原因の歯がある側だけに炎症が起こるのが特徴です。
歯性上顎洞炎の治療法は耳鼻咽喉科と歯科医の両方による治療が必要となります。
治療に際しては、急性期にはまず抗生物質などの抗菌薬を投与し、細菌の感染を抑えて炎症を鎮めます。
慢性期になると、X線写真などを使って原因となる歯を特定する必要があります。
こうして特定した歯が虫歯であれば、根の治療、歯周病であれば、歯の抜歯を行います。
このように、まずは原因となる部分を取り除くのが原則です。
抜歯をすれば、ほとんどの場合症状は改善します。
上顎洞と鼻腔の通路が閉じている場合や、炎症が広がって抗生物質を使っても膿が止まらない場合、あるいは歯根などが上顎洞に落ちてしまった場合は、内視鏡などを使った手術が必要となるケースもあります。