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HISA DENTALCLINIC
DIRECTOR’s BLOG

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保定期間はどれくらい必要なの

歯科に関して

保定とは静的矯正治療のことで、移動させた歯の位置を安定させるために必要な処置です。
歯を移動させる動的矯正治療が終了し、ブラケットや針金が除去されると矯正治療は終了したと勘違いしてしまう患者様がいます。
コンサルテーションの時に保定のことをしっかりお話していても、辛かった針金から解放されたのですから、その気持ちは術者も理解できます。
しかし、この保定をしっかり行わないと後戻りの原因になります。
保定は可撤式のリテーナー、クリヤーなマウスピースもあれば、固定式のボンダブルリンガルリテーナーなどの装置があり、先生により様々な装置を使い分けています。
可撤式装置の場合、1年間は食事や歯磨きの時を除き、昼夜一日じゅう装着します。そして、1年が過ぎたら夜寝ているときのみ装着します。
3年目に入ったら、終了ということではなく、寝る前に保定装置を入れてみてパッシブに入れば装着しないで寝ます。
しかし、1週間目すこしきつく感じたら入れて寝ます。
このように、ご自身で装着をコントロールするようにしていきます。
というのは、患者様すべて不正咬合の種類も違えば、抜歯の有無も異なり、動的治療期間も違うわけですから、すべての保定期間が同じというわけではありません。
たとえば、針金の期間が予想より早かった場合は保定をしっかりしないと後戻りしやすい傾向にあります。
智歯がまだ未萌出の場合、保定は重要です。せっかく一列にした歯列が智歯の萌出力で再びデコボコになる可能性があります。
成人の場合では、歯周病が関連している矯正治療では保定ではなく、固定になることがたびたびあります。
また、矯正医にとっても保定にしようか、固定にしようか迷うケースもあります。
このように、後戻りの予測は大変難しく、今でも矯正医にとって一つの大きなテーマです。