本人は矯正治療を希望してないが、保護者が矯正治療を希望しているという場合があります。
このような場合にどのようなトラブルが起こるかというと、
①矯正装置が入っており、毎回ブラッシングの指導をしているのに、自分から適切なブラッシングをしない。つまり、矯正治療途中で、むし歯ができてしまう。
②毎回、エラステックの掛け方を鏡を見せながら説明しても、あまり掛けない。
③次回の予約を守らず、毎月来院しない。
④毎月定期的に来院していないのに、2年で装置が外せると言ったと装置除去を希望する。
このような事柄が生じると、矯正治療が成功しないばかりか、やらないほうが良かったということになってしまいます。
保護者から勧められ治療を受ける場合の動機づけを外的動機付け、本人自ら矯正治療を希望している場合を内的動機付けといい、内的動機付けの方が強いとされています。
このような外的動機付けのケースは小学生の男子に多くみられます。このような男子は高校生になり、彼女ができたりすると自分から矯正治療をしたいと申し出るものです。
その時は、内的動機付けですから、歯磨きも大変よくやり、またエラステックもよく掛けてくれて、予定より早く装置が外れることになります。
では、小学生の時に矯正治療を開始する場合とは、どんなケースでしょうか。一番多いケースは成長発育を利用して永久歯を抜くことなく、非抜歯で治療を行うことのできる場合です。
つまり、今治療を開始すると歯を抜かないで矯正治療ができるけど、高校生で開始した場合は歯を抜いて治すことになる場合だと思います。
そのような場合は、両方の過去患者様の矯正治療のスライドを親子で観てもらい、家に帰って家族でどちらを選択するか話し合ってもらいます。
基本的に、矯正治療を希望して来院しても歯磨きが全然できない場合は、歯磨きだけをさせます。
このようなお子様は矯正治療に関心がないわけです。そして、改善がみられれば矯正治療の説明をしますが、改善がみられなければ矯正治療を勧めませんし、矯正治療のお話しもしません。
基本的には内的動機付けが重要です。
私のクリニックでは、小学生の場合、治したいのは○○さんあなた、あるいはお母様ですかと尋ねます。本人の口から私ですと回答があった場合のみ、矯正治療を開始します。
本人が希望しない矯正治療
歯科に関して
- 2016年4月11日