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HISA DENTALCLINIC
DIRECTOR’s BLOG

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歯周病を有する成人の矯正治療

歯科に関して

歯周病を有する成人の矯正治療を行う際、歯周の炎症のコントロールがされていることが大前提となります。すなわち、SRPなどの歯周治療により、歯周ポケットの深さ、出血の改善がなされ、患者様本人で十分なプラークコントロールができなければなりません。
治療途中で、急性発作(バースト)を起こすと、矯正治療中でも抜歯になる可能性があります。
また、成人の矯正治療の場合、ブラックトライアングルができやすいこと、歯根が少し吸収する可能性があること、さらには治療期間が予測しにくいこと(時に予想より治療期間が長くかかることがある)などを治療前によく説明しなければなりません。
さもないと、患者様とのトラブルの原因になります。
また、実際の矯正治療の際には、歯を支えている歯槽骨のレベルが低いことから、抵抗中心が根尖側に移動するため、ブラケットポジショニングも多少歯頸側寄りになります。
さらに、歯槽骨の面積が減少することで、作用させる力も弱くする必要があります。
歯の移動はゆっくり行う必要があります。速度が早いと知覚過敏を引き起こします。また、強いトルクなどを用いてはいけません。
治療中、歯周病的に問題となりそうな部位は毎回クリーニングが必要です。
従って、治療目標は正常な歯周組織を有する患者様と比較して、アクセプタブルオクルージョンになる可能性があります。
最終的に、ワイヤーが外れ、保定に入りますが、保定ではなく固定になるケースが多いことを認識してください。