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HISA DENTALCLINIC
DIRECTOR’s BLOG

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ブローネマルク教授を偲ぶ

歯科臨床
昨年、12月20日(土)16:30(現地時間)にブローネマルク教授が心臓発作のために逝去されましたという連絡メールが届きました(日本時間12月21日(日)16:15)。 教授は享年85歳でした。それは私がまさにクリニックのホームページのリニュアルに伴う原稿の校正をしている時でした。 教授はスウェーデンのルンド大学医学部で1952年、ウサギの脛にチタン製の生体顕微鏡を取り付け微少循環の観察実験を行い、その器具を外そうとした際チタンと骨がくっつき外せなくなったことより、チタンと骨の組織が拒否反応を起こさず結合する現象であるオッセオインテグレーションを発見したというのはあまりにも有名な話です。 その後イエテボリ大学に移籍し、研究を続け1965年に現在主流となる世界初の純チタンによるデンタルインプラントシステムの臨床応用を開始したのです。 また、1989年にはオッセオインテグレーション技術の普及のため、スウェーデンのイエテボリにブローネマルク・オッセオインテグレーション・センター(BOC)を設立しました。BOCはその後ブラジル、東京など世界9ヵ国に設立され現在に至っています。 教授は『現代デンタルインプラントの父』と歯科界では呼ばれています。 私はブローネマルクインプラントを故関根弘教授とともに日本に導入した小宮山彌太郎の東京BOCに手術の見学に行き、その仲間とともにClub 22(22はチタンの原子番号)を設立しました。Club 22は、小宮山彌太郎先生のインプラント普及に対する堅い、崇高な決意に感動し、そのお手伝いをしたいという思いで設立されたのです。会員はブローネマルク・システムのフィロソフィーを尊重し、日々新しい知識を吸収し、自らの研鑽に努めております。 Club 22でもブローネマルク教授を何度も日本にお招きし、多くの講演をしていただきました。教授を囲んで隅田川の桜を見に出かけたりしました。教授はキリンの一番搾りが大好きで、日本に来るたび飲まれていました。 現在、私が使用しているインプラントはノーベルパイオケア社のエクスターナルコネクトの代表である、ブローネマルク教授が開発した 歴史が長く信頼性が高いブローネマルクインプラントシステを使用しています。 今後も先生の考案したデンタルインプラントが、歯がなくて、思うように噛めない人たちに福音をもたらすことをお祈りしています。 下の写真は東京BOCの受付に飾られているブローネマルク教授のパネルの前で撮影したものです。 ブローネマルク教授.jpg