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HISA DENTALCLINIC
DIRECTOR’s BLOG

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知覚過敏について

歯科に関して

私は歯科の治療で一番難しいのは、知覚過敏だと思っています。症状が一時的で比較的軽度なのになかなか改善がみられないからです。
症状としては、冷たい物を食べたり飲んだりしたときなどに一時的に『歯がしみる』という症状が起こります。しかし、虫歯の場合のように、慢性的な持続的な痛みを伴う事は少ないようです。
これはなぜ起こるかというと、エナメル質が傷つき削れ、その下の組織、象牙質が露出すると、象牙質にさまざまな刺激が加わった際に、象牙質を通じて象牙細管から歯髄神経へ刺激が伝わり、それが『歯がしみる』という症状になるのです。
この原因としては、歯磨きの圧が強い人、歯磨き粉の使用量が多い人、研磨剤の多い歯磨きを使用する人が長年これらを継続することで、エナメル質が削れ、象牙質が露出してしまうのです。また、「歯ぎしり(かみ合わせが悪い)」が最も大きな原因ではないかと近年いわれています。
その他、かんきつ類、果実飲料、炭酸飲料、スポーツ飲料などpH(ペーハー)の低い飲料を無意識的に飲んで、エナメル質を溶かしてしまっている人(酸蝕歯)、ホワイトニングの薬剤で歯がしみる人、歯周病で歯茎が下がり、象牙質が露出してしまった人、歯科医院で歯石をとってもらった後や加齢でゾウゲ質が露出した場合などに起こります。
基本的には、『歯がしみる』という症状が出た場合、歯磨き粉の使用を中止し、毎日の正しい歯磨きによって歯根面に歯垢を溜めないようにすることが大切です。また、そのしみている部位に必ず歯ブラシの毛先を当てて磨き、唾液中のカルシュウムイオンやリンイオンをゾウゲ細管に沈着させ、しみ防止につなげることが望ましいと考えます。
私のクリニックでは、フッ素のイオン導入、各種レーザーとフッ素の併用、象牙質をカバーするコーティング材の使用、サホライド塗布、かなりゾウゲ質が削れてしまっている場合には光重合レジン充填、何を行っても効果がない場合は最終的に麻酔抜髄を行っています。
また、歯ぎしりが明らかな原因の場合は夜寝るときに装着し、歯が削れることを予防するナイトガードを製作しています。さらに、一部かみ合わせを調整する場合もあります。
シュミテクトという知覚過敏専用の歯磨き粉は私自身も使用してみました。しかし、あまり効果がありませんでしたし、患者様からの評判も今一つだったので、現在私のクリニックでは置いていません。
最後に、正しい歯磨き圧は約150~200gで、適正な歯磨き粉の量は小豆一粒大、多くても5ミリ程度です。そして、必ず歯と歯茎の境目に毛先を当てる磨き方をすることが知覚過敏の予防につながると思います。
下の写真は知覚過敏の際にフッ素のイオン導入を行うパイオキュア装置です。
パイオキュア.jpg