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HISA DENTALCLINIC
DIRECTOR’s BLOG

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口腔がん

その他

口腔癌は、口腔粘膜に生じた6部位の癌腫(舌、上顎歯肉、下顎歯肉、口底、頬粘膜、硬口蓋)です。
一方、口腔がんは口腔にできた悪性腫瘍であり、口腔癌に唾液腺癌、上顎洞癌を含めた癌腫、肉腫などの顎口腔領域の悪性腫瘍が含まれます。
口腔癌の発生部位は舌癌が約50%を占め、次に下顎歯肉癌(20%)、上顎歯肉癌、口底癌、頬粘膜癌、硬口蓋癌の順です。
口腔癌は、高齢者(男子では60代、女子では70代、80代)に多く、男性に多く生じます(女性の1.5~2倍)。喫煙と飲酒がガン発生の危険因子であり、組織的には扁平上皮癌が多く発生します。
舌癌は、口腔癌の50%以上を占めます。刺激痛を伴うことが多く、初期には白斑、紅斑、顆粒状を呈することが多いため、白板症や扁平苔癬との鑑別が困難なことが多い。周囲より硬ければ、既に浸潤癌に進行していることが多いようです。
口底癌は、口底に潰瘍や肉芽様に見えることが多く99%が喫煙者です。
下顎癌は、乳頭状、肉芽様、潰瘍などを形成します。辺縁性歯肉炎や乳頭腫に類似のものもあります。典型例では診断が比較的容易ですが、歯周炎との違いは付着歯肉まで及ぶ腫瘤を形成することが多いことです。褥瘡性潰瘍に比べて凹凸不整、色調も多様であす。乳頭腫との違いは大きさと易出血性などが挙げられますが鑑別困難なものもあります。
上顎洞癌は顎堤の腫脹による義歯不適合などの初期症状であることが多いです。X線写真による確認が必要で、進行したものでは肥大した歯肉や顎堤粘膜から肉芽様の潰瘍形成、鼻閉、頬部腫脹などを併発します。
上顎歯肉癌は肉芽様、潰瘍、白板などが多く、下顎癌に類似した像を示します。早期のものでは歯肉炎との鑑別困難なこともあり、易出血性のことが多く、辺縁歯肉をこえてみられることが多いようです。
また、癌ではないかと心配される正常な状態および疾患には、下顎隆起・口蓋隆起があり、外骨症とも呼ばれ、通常対称性に骨の隆起を生じますが、大きさは左右で異なるものもあります。X線写真で骨不透過性の亢進を確認できます。
ラヌーラ(ガマ腫)は舌下型(口底部腫脹)と顎下型(顎下部腫脹)があります。舌下型では口底が暗青紫の腫脹で、診断が容易です。顎下型では類皮嚢胞などとの鑑別にMRIやCTが用いられます。
さらに、舌の葉状乳頭、有郭乳頭を癌と疑って来院する患者様も少なくありません。
本クリニックでも、今までに10例以上の歯肉癌、舌癌をみつけています。
最後に、口腔粘膜癌を疑う時は?
1.触診でしこり(硬結)を認めます。炎症性粘膜疾患や白板症は柔らかいです。
2.易出血性の病変です。
3.持続性の疼痛や知覚麻痺があります。
4.ステロイド軟膏を1週間使用しても潰瘍などの炎症症状が改善しません。
5.刺激となる歯(特に大臼歯や残根)や義歯を調整(可能なら食事以外撤去)しても1週間で改善がみられません。
このような時は、必ず来院してください。