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HISA DENTALCLINIC
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口腔乾燥症

その他

従来、口腔乾燥は水分の不足によって口が渇くものと、何らかの原因によって唾液の流出が悪くなって口が渇くものとが混在していました。すなわち単なる水分不足で口が渇くものは、水分を補給することによって改善する生理的現象であって病気ではありません。
従って、口腔乾燥症(ドライマウス)とは唾液腺の機能異常やその他の原因で、水分の補給では改善しないものです。さらに唾液腺の機能異常もなくその他の原因もない「口腔機能の低下」による口腔乾燥も口腔乾燥症(ドライマウス)のひとつです。
1.ドライマウスに伴う症状
ドライマウスに伴う症状として、口が渇いて会話がしにくい、食事がしにくい 。 口の渇きで夜、目が覚めてしまう。 舌の痛みや舌のひび割れがある。 味覚障害 、口内炎、口角炎が起きやすい。 虫歯や歯周病 いなりやすく、 口臭もひどく、 口腔カンジタ症 になりやすい。
2.治療法
治療法は残念ながら根本的な治療法はありません。人工唾液、口腔乾燥症状改善薬や保湿剤や含嗽剤(うがい薬)などによる対症療法に頼らざるを得ないのが現状です。さらに口腔機能低下によるドライマウスは口腔機能訓練が有効です。
  
そして人工唾液や口腔乾燥症状改善薬の使用はシェーグレン症候群や頭頸部放射線照射後のドライマウスなどに限定されています。
3.人工唾液・口腔乾燥症状改善薬の適応症
人工唾液(サリベート) は頭頸部放射線照射後のドライマウスに、 塩酸セビメリン(エボザック、サリグレン)は シェーグレン症候群に、 ピロカルピン塩酸塩(サラジェン)は、 頭頸部放射線照射後のドライマウス やシェーグレン症候群に用いられます。
4.保湿剤の考え方
保湿には口腔粘膜への直接的な保湿と、蒸散防止としての保湿があるため、主となる作用を理解して選択します。
保湿剤の第一選択肢としては、絹水(サンスター)やオーラルウェット(ヨシダ)がお勧めです。なかでも、スプレータイプは使いやすく効果も期待できます。一般的な使用方法としては、スプレーを口腔内へ5~6回程度噴霧した後、舌を動かして保湿液をなじませます。使用回数は症状の程度によりますが、中程度の症状で3~4回/日、重症例では5~6回以上/日がよいでしょう。
食事中や食事直後はある程度の刺激唾液が分泌されているため、食後1時間ほど経った食間の時間帯に用いると効果的です。また、バイオティーンオーラルバランス(ティーアンドケー)はジェル状のため、口腔内への停留が期待できます。重度の口腔乾燥症では、保湿スプレーの使用後ジェルを塗ることによって蒸散を防ぎ、より高い保湿効果の持続が期待できます。
5.含嗽剤の考え方
含嗽剤(うがい薬)は、口腔内清掃、感染予防、湿潤、清涼感、口腔内不快感の除去のために効果的です。毎食後のブラッシングの後に希釈した含嗽剤(アズレイうがい液、イソジンガーグル、ネオステリングリーンなど)で含嗽を行うとよいでしょう。
6.顎の体操
顎の体操で唾液腺を刺激して、唾液を出しやすくします。
下の写真はヨシダのオーラルウェットです。
オーラルウエット.jpg