昨年、損害保険によるインプラント治療の事例が3例ありました。
1例目は、27歳の女子で、高速道路での事故で前歯が折れ、歯根にひびが入り、保存不能と水戸医療センター口腔外科で判断され、その前歯が抜歯されました。
その後、本クリニックにインプラント補綴で紹介され来院し、インプラントの埋入を行い、無事に上部構造の装着を行いました。当面は問題がないと思われます。
2例目は、32歳の男子で、夕刻に工事中の道路に穴が開いているのを知らず、その穴に落ち、前歯を脱臼してしまいました。
かかりつけの歯科医院で仮歯を装着してもらい、その後、本クリニックにインプラント補綴で紹介され、来院しました。
この症例もインプラントを無事に埋入し、上部構造が装着できました。
3例目は17歳の女子で、歯冠が飛んでしまって、私のクリニックにくる前の2軒の歯科医院では、残った歯根はホープレスという診断でした。
デンタルX線写真を撮影すると抜歯するかどうか微妙な症例でした。
もし、その歯を抜歯しても17歳ですので、インプラント埋入はできません。
とりあえずブリッジを製作し、成長が落ち着く24歳ぐらいで再度インプラントの埋入をしなくてはなりません。
そこで、抜歯して骨補填剤を入れ、24歳まで待つよりも、自分の歯を持つところまで使用しようという結論を出しました。
残った歯根は歯槽骨骨縁と等高、あるいは縁下でした。
結果として、根管治療後、矯正的に牽引し、歯根を骨縁上に出し、補綴しました。
また、後戻りを考慮して、保定用のポジショナーを製作し、装着させました。
この歯は当面は問題がないと思われますが、何年使用できるかはわかりません。
定期的な観察が必要です。
そのため、保存不能になれば、再度インプラント補綴が必要となり、これらを含めた示談が必要ですし、後遺症として明確に損害保険会社に予後を知らせることが必要でした。
損害保険のインプラント治療
歯科に関して
- 2018年1月22日