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HISA DENTALCLINIC
DIRECTOR’s BLOG

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下あごの親知らずの話

その他

親知らずは永久歯で最後に生える歯です。
第一大臼歯は6歳ごろ生えるので6歳臼歯といい、第二大臼歯は12歳ごろ生えるので12歳臼歯といい、第三大臼歯は18歳ごろ生えるのですが、これを18歳臼歯と呼ばず、親知らずといいます。
では、なぜ親知らずというのでしょうか。親は子供の乳歯の歯の生え始めや永久歯の生え始めをよく覚えているものです。それが、18歳ぐらいになると、子供の歯に対する親の関心も薄れてきます。つまり、いつ生えたか親も知らないからという説がよく聞く説です。
また、昔は寿命が短かったので、親知らずが生えてくる頃には、親が亡くなっていて、親が知らずに生えるからという説もあります。
いずれにしても、親知らずは現在では永久歯の本数に入っておらず、厄介な歯と考えられています。特に、下あごの親知らずは生える場所がないと斜めになったり、時には骨の中で水平状態になったりします。
そのため、骨の中の親知らずの歯冠の一部が口腔と交通していると、その部位の歯磨きがうまくいかず、常に磨き残しができます。そうすると、親知らずのかみ合わせの面や第二大臼歯の奥側の根の部分が虫歯になります。
また、よく磨けないことで、汚れがたまりやすく、その歯茎に炎症が起こり、ひどいときには口が開かなくなったりします。
下あごの親知らずが水平になり生えないときは、上の親知らずが過萌出(かみ合わせより余計に生えること)になり、かみ合わせを乱すことがあります。つまり、スムーズな下あごの動きができなくなります。
親知らずが生えるとき、後方から前の歯を押す力が生じます。代表的な例は矯正治療をして歯並びが綺麗になったのに、親知らずが生えたことで、下の前歯が再びデコボコになってしまう例です。矯正の先生は必ず親知らずの状態を確認してから、矯正の保定を終了します。
親知らずは生えるときに痛みを感じたり、生えている時でも歯茎を挟んで痛みを感じることがあります。
このように、厄介な親知らずはほとんどの先生が抜歯を勧めますが、移植や再植を行う先生のみが抜歯を嫌うかもしれません。
下のX線写真は、左右臼歯部に違和感があるということで、昨日来院した20歳女性のオルソパントモX線写真です。左側の下あごの親知らずが水平埋伏状態にあり、右側の下あごの親知らずは埋伏状態で、それを邪魔しているのが水平な第四大臼歯(過剰歯)?のよういに観察されます。いずれにしても順々に抜歯予定です。
埋伏智歯