初診時年齢25歳7か月の女性で、前回の歯周病の急性発作で歯肉が退縮してしまった女性と1歳違いです。
この方は歯周病には罹患しておりません。
上顎歯列には中等度の叢生が存在しています。
一方、下顎は反対咬合で成長発育が良いので叢生はほとんどありませんでした。
治療は、本人が非抜歯での矯正治療を希望していたこともあり、上顎の歯列をクワドフェリックス装置により側方拡大を行い、後に歯を配列するマルチブラケットを装着することとしました。
側方拡大は約半年間行いました。写真は側方拡大後にマルチブラケット装置が装着された時です。
その側面観です。マルチブラケットを装着して1年8カ月の動的治療期間を要しました。
もう少し、咬合をつくりたかったのですが、千葉県に転居するということで装置を除去しました。
前回の症例と比較して、歯肉の退縮やブラックトライアングルも生じなかった症例です。
このように、成人でも様々な歯肉の状態があることが理解できると思います。
ある成人女性の非抜歯矯正治療
歯科臨床
- 2017年4月23日