16歳6か月の女子で、上顎犬歯の唇側転位および側方歯群の開咬を主訴として来院しました。
治療は上下顎第1小臼歯抜歯でマルチブラケット装置により行いました。
動的治療期間は叢生もひどかったことから、1年1か月と非常に短期間で終了しました。保定はマウスピースタイプの保定装置を使用しました。
保定1年ぐらいは4か月に1度くらい来院していましたが、その後、連絡がありませんでした。
動的終了時から約7年後、24歳8か月で来院しました。
上顎両側切歯が逆被蓋になってしまったので、再治療したいということでした。
その1週間後、再度マルチブラケット装置が装着されました。
1年1か月の動的治療で再度矯正治療が終了しました。
この症例から、最初の動的治療期間が抜歯症例にしては1年1か月と非常に短く終了している点です。
このように歯の動きのよい症例は後戻りもしやすい傾向にあります。
したがって、保定装置の装着が大変重要になります。
また、動的終了時が17歳8か月ですが、多少下顎の成長発育があったようです。
下顎前歯の舌側傾斜をみれば理解できます。
いずれにしても、本人はこの4月から新しい職場に転職するそうです。さらなるご発展をお祈りいたします。
矯正治療後戻り
歯科臨床
- 2017年3月4日