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HISA DENTALCLINIC
DIRECTOR’s BLOG

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Club 22の会合に出席して(1)

その他

8月19日と20日の2日間、Club22の会合が開かれました。
日曜日は長期に経過した症例から本質と課題を学ぶ第2回と題して行われました。
その中から、石川先生の発表が大変勉強になったので紹介いたします。
以前、慶応大学の耳鼻咽喉科の准教授である、國弘先生をお迎えして講演を聞いたことがありました。
その後も、石川先生は國弘先生の勉強会に出席され、サイナスリフトに関して、耳鼻科的検討をして手術を行っているというお話をしてくださいました。
そして、現在は國弘先生が不定期ではありますが、石川先生のクリニックで耳鼻科の診療をしているということでした。
まず、サイナスリフトを行う場合に、CT像は前頭洞の高さまで撮影する必要性があるということでした。
つまり、篩骨洞から上顎洞や前頭洞が分化しているからということでした。
そして、自然孔のところの篩骨漏斗の大きさが一番重要で、この大きさが小さいと上顎洞の線毛による排泄機能が不十分になり、サイナスリフトがうまくいかず、上顎洞が死腔化してしまうということでした。
そして、サイナスリフトの際のリスクファクターとして、鼻中隔湾曲症、鈎状突起の過剰発育、中鼻甲介蜂巣、中鼻甲介の形態異常、Haller cell、副孔が指摘されているそうです。
そして、鼻中隔湾曲症の存在は1.45倍サイナスリフトを困難にし、また副孔があると、自然孔で排泄されたものが咽頭の方に流れず、再び副孔に戻り、サイナスリフトの失敗の原因になってしまうということでした。
その副孔は10~20パーセントの人に存在するということでした。
そして、石川先生が行ったサイナスリフトの左側は1回法で問題がなかったのに、右側が失敗してしまった原因を振り返ってみて、患者様に感冒があったこと、右側の副孔の存在、右側に凸の鼻中隔湾曲があったことを見過ごしていたためということでした。
また、CT像から上顎洞の鑑別すべき病変として、好酸球性副鼻腔炎、真菌性副鼻腔炎、後鼻漏、乳頭腫、上顎洞癌などがあり、好酸球性副鼻腔炎に関しては今だ適切な治療法が見つかっていないということでした。