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HISA DENTALCLINIC
DIRECTOR’s BLOG

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歯の痛み(3)根尖性歯周炎の痛み

歯科に関して

歯のまわりからの痛みには、2通りの原因が考えられます。
一つは歯髄の炎症から歯髄が死んでしまい、その後歯根の先端に炎症を引き起こすものです。
もう一つは歯肉と歯周組織の感染により、歯周ポケットを形成し、歯の辺縁に炎症を引き起こすものです。
今回は前者の根尖性歯周炎についてお話しします。
急性の根尖性歯周炎による痛みは、中等度から強度であり、持続する痛みです。
痛みは歯を咬み合わせると悪化し、より進行した場合、その歯に軽く接触しただけでも痛みが強くなります。
これらの場合、その歯はかみ合う歯との接触に関して大変敏感になります。
患者様は根尖性歯周炎に先立って、激烈かつ耐え難い歯髄炎の痛みを経験することがあります。
そしてその後は軽度な持続的な痛みへと移行します。
根の先からの痛みの場所は、通常,問題のある歯を正確に示すことができます。
この点では,象牙質や歯髄の疼痛とは異なります。
根尖性歯周炎の約半数近くにおいて,痛みは顎の骨に広がります。
問題のある歯は,軽く叩くことによって容易に判定できます。
さらにその歯の根の先あたりの粘膜は、押すと痛みがあります。
通常、歯髄は活きておらず、温度変化や電気による診査に反応しません。
しかしながら、歯の内部の炎症と急性の根の先の炎症を明確に区別することは困難であり、さらにそれらの痛みは同時に生じることが多くあります。
より重篤な化膿性の状況になると、顔面の腫脹を伴い、さらに発熱や悪寒を生じることもあります。
通常腫脹が生じた場合、炎症に伴う膿みは骨から軟かい組織へと移行することで圧が減じ、それに伴い痛みも減少します。
根尖性歯周炎の初期においては、炎症が根尖周囲に波及して間もないため、まだエックス線所見上で明確に診断することは困難です。
もし,エックス線上で根尖周囲に透過像が認められたならば、慢性の根尖性歯周炎と診断するべきです。
多くの場合、エックス線画像上での根尖周囲の透過像は、症状がなくても認めます。
エックス線所見は痛みを表すものではなく、さらに痛みは根尖周囲の病変の状態や感染の有無とも相関しません。
痛みが根尖性歯周炎からきている場合、その感染の原因は通常歯髄のはいっていた場所からきています。
原因となっている歯の内部で感染した歯髄や腐敗物、細菌を取り除く感染根管治療を行います。
しかし、歯の根の内部の根管は、細くて複雑に入り組んだ構造をしており、歯の種類によっては治療が非常に困難です。
治療回数は症例によっても異なりますが、根管の形が複雑な場合、1ヶ月以上かかってしまうこともあります。