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HISA DENTALCLINIC
DIRECTOR’s BLOG

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親知らず(3)抜歯後の穴

歯科に関して

今回は、親知らずの抜歯後の穴についてお話しします。
親知らずを抜歯すれば、当然抜歯したところは穴となります。通常、何針か縫合いたします。しかし、穴になりやすいことが多いようです。
私は学生時代に左右の親知らずが水平埋伏でした。右の親知らずを口腔外科の教授に、左を助教授に抜歯していただきました。
その穴が完全に閉鎖し、かつ第二大臼歯の後ろにご飯粒などが残らないようになるまで半年以上かかった記憶があります。
特に水平埋伏の親知らずの場合は半年から1年ぐらいかかるようです。
抜歯をした部位の治癒は、まずは、抜いた骨の凹みに血の塊(血餅)ができることから始まります。
血餅は皮膚の傷のカサブタのような役割をしており、露出した骨面を覆い守っています。
その後1ケ月くらいかけて、骨の凹みは、骨から血餅の中へ血管が入り込み、肉芽組織に置き換わり、その表面に歯ぐきが伸びてきて、ほぼ治癒します。
しかし、骨が硬く、毛細血管が少ないと、時にドライソケットになったりします。
ドライソケットとは、抜いた穴の内部の骨が、かさぶたの役割をする血餅で十分に覆われない状態のことです。
つまり、骨がむき出しになっているので、痛みも非常に長く続きます。これは下顎の親知らずの抜歯後、2~4%程度の人に起こるといわれています。
この場合に、再び内部を刺激して出血させ新たに血餅を形成させたりします。治癒にはおおよそ2~4週程度かかります。
穴を綺麗にしておくために頻繁にうがいをしたり、抜歯後の穴の内部を洗い流そうとすることは治癒を送らせる恐れがあります。
抜歯後の穴は、わかりやすく説明すると、いきなり穴がふさがって治るのではなく、だんだん穴の底や側面から歯肉が盛り上がってきて、穴が浅く小さくなっていくという経過をとりますので、だんだんと物が詰まったりするのは少なくなっていきますが時間がかかります。
ふさがるまでに食べ物などが入り込んでも、それがそのまま傷に埋め込まれてしまうとかは通常ありませんが、治癒を遅らせる原因になる場合もありますのでうがいなどで取るのが最も良い方法です。
あまり無理に触ったりすると、そこから雑菌が入って感染症を引き起こす場合もありますので、注意してください。