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HISA DENTALCLINIC
DIRECTOR’s BLOG

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20年前のボーンアンカードブリッジを外してみて

その他

18年ぶりに今年80歳になる患者さんが来院しました。上部構造装着後、2年ぐらいは定期的にメインテナンスに通ってきましたが、その後まったく来なくなってしまいました。
患者さんからすれば、恐る恐る行ったインプラントが2年間のメインテナンスで大丈夫と判断したのでしょう。
来院理由はボーンアンカードブリッジのカンチレバー部の破折でした。
下の写真(上部構造)のように、20年経過した硬質レジン歯は臼歯部の咬耗に比べ、前歯部では歯冠長の4割ぐらいまで咬耗し、歯の形態をなしていませんでした。
これは、上顎前歯部がメタルボンド修復、臼歯部が両側遊離端のパーシャルデンチャーであったため、臼歯部より前歯部の咬耗が大きかったのかもしれません。
また、左側第2小臼歯、第1大臼歯の硬質レジン歯、および流し込みレジンがすべて飛んでしまっていました。
上部構造
患者さんに話を聞きますと、人工歯がなくなっても、他の部位で噛めるため食事に支障はなかったのですが、折れたところが舌に当たって痛いので来院したということでした。
このタイプの上部構造を入れた患者さんのほとんどは、咀嚼という機能が回復されれば、臼歯部の一部の人工歯が脱落してもほとんど気にならないようでした。
また、この上部構造をいれた方々は現在すべて年齢が70歳以上で、審美的に問題があるとは考えないようでした。
しかし、咬合高径が低くなってしまっていますから、上部構造を作り直す必要性がありますが、みなさん消極的でした。
当時、講習会で何年かに一度は人工歯の咬耗を考え、つくり直す、あるいは修理する必要があるという話はありませんでした。
従って、その当時、このような上部構造を製作し、患者さんに装着した先生方は私と同様な問題を抱えていることになります。
また、材料にしても、製造が中止になっているものもあり、材料の調達もたいへんでした。
金属のフレームは強度を増し、重量を軽くするために、L字の形態で鋳造されています。カンチレバー部の破折は少しカンチレバーが長すぎたのかなという気持ちもありましたが、右側臼歯部は7mmのインプラント、すなわち9mmの深さの骨がなかったので、右側臼歯部にはインプラントは埋入されていませんでした。
すなわち、下の口腔内写真のようにオトガイ孔間に5本のインプラントと左側臼歯部に1本のインプラントの計6本が埋入されていました。
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従って、むしろ、カンチレバー部の長さの問題よりも、右側臼歯部にインプラントが埋入できなかったことの方が破折の原因として大きいように思われました。
スクリューリテインのボーンアンカードブリッジの外し方はいずれのアクセスホールにもシリコンチューブが入っており、一層の光重合レジンをとると簡単にスクリューに辿り着き、マイナスのゴールドスクリュウであることがわかりました。
口腔内写真のようにオトガイ孔間に5本のインプラントのアバットメントはいずれもスタンダードアバットメントなのに、なぜか左側臼歯部の1本だけエステコーンアバットメントが入っていました。通常、審美的な部位に用いるアバットメントをなぜ臼歯部に用いたかは記憶にありません。
この患者さんは、古い上部構造を外し、無事に新しい上部構造の印象採得も行えました。スクリューリテインの素晴らしさを感じた1例でした。

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