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HISA DENTALCLINIC
DIRECTOR’s BLOG

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舌痛症再考(1)

歯科に関して

舌痛症だった患者様が、私の治療に対する力量不足で最終的には東京医科歯科大学の歯科心身医療外来へ行かれたお話をします。
舌痛症の症状としては舌の先や縁に「ヒリヒリ」「ピリピリ」した痛みや灼熱感が長期間続く方が多く、「やけどをしたような痛み」「歯がこすれるような痛み」であることが多いと言われています。
また、舌に器質的異常は認めらず、三叉神経痛や舌咽神経痛の電撃痛とは異なる痛みであり、末梢の神経学的異常(しびれ、麻痺など)も認められません。
食事中や何かに熱中している間は痛みを感じないことが多いなどの特徴があるようです。
さらに40-60歳前後の中高年の女性に多く、真面目で几帳面な性格の人がなりやすいそうです。
歯科治療の後に発症することもしばしばあるそうです。
痛みは我慢できないほどではないそうですが、1日中気になり、舌に神経が集中している感じだそうです。
午前中より、夕方から夜にかけて痛みが増悪したり、痛む部位が移動することもあるそうです。
口内炎の軟膏をつけたり、ビタミン剤や痛み止めを飲んでも一向によくなりません。何度も歯の先などをきれいにしても舌にこすれる感じがとれないそうです。
口の中が乾いたり、「ザラザラした感じ」や味覚の変化(おいしくない、本来の味がしない)をしばしば伴います。
不眠や頭痛など自律神経症状を伴うことが多く、CTやMRIでは特に脳の病変は認められません。
なお、うつ病など精神疾患を合併しておられる方は非常にまれだということです。
この患者様は内科、耳鼻咽喉科などをまわり、ビタミン剤を飲んだり、勧められるままに漢方薬を飲んだりしたそうです。
しかし舌のピリピリ感は改善しなかったようです。
その後、私のクリニックに来院され、患者様の話をよく聞いてみると母の介護などかなり急なストレスが溜まることが多かったようですが、その問題も解決しそうだということでした。
そのような精神的なことが引き金になっていると思われたので、じゃ、その問題が解決すれば治るのではないですかとお話ししましたが治らなかったようです。