昨年5月27日にブログに掲載した、初診時年齢10歳の男子の矯正治療が終了しました。
移転歯とは不正咬合の個々の歯の位置異常の一つで、歯列弓内で隣接している歯がその位置の順序を交換しているものをいいます。
最もよくみられるのは、上顎の犬歯と第一小臼歯の移転です。
移転歯の矯正治療で重要なことは、移転が歯冠だけが逆なのか、歯冠および歯根も逆なのかということです。
私自身は、以前は歯根まで逆の場合は無理に位置を変えずに配列していました。
しかし、今回、第一小臼歯を一度口蓋(舌側)に押しやり、犬歯を近心移動し、それから第一小臼歯を唇側の正しい位置に戻すようにする治療計画を立て、無事に歯の位置を変えることができました。
その後、犬歯のリンガルルートに時間がかかりましたが、上顎のワイヤーのみで、ある程度の咬合をつくることができました。
初診時の口腔内写真
装置装着時の口腔内写真
装置除去時の口腔内写真
移転歯の動的矯正治療終了
歯科臨床
- 2017年4月3日