口の中に白いものができている場合、すぐに思いつくのが口腔カンジダ症と口腔白板症です。
そして、近年よく見られるのが口腔カンジダ症です。口の中にいるカビ菌の一種のカンジダ菌が繁殖して、口の粘膜に症状を起こすことです。
カンジダ菌は40%〜60%の人間の口の中にいます。
口腔カンジダ症は高齢者や乳幼児に多くなり、口の中の頬、舌、上顎、唇、喉の奥に白く膜のようにできたり、赤くできることがあります。口腔カンジダ症は同じカンジダ症でも全く違う症状がでる病気です。
1.口腔カンジダ症の5つの症状
①口の中がピリピリ痛むカンジダ症
頬や舌が赤くなるカンジダ症はピリピリと痛みが出たり、刺激によって痛みが出ます。
食事や歯が頬にぶつかるだけで痛みとして感じます。
入れ歯や被せ物をした後にこの症状がでると、カンジダ症と気付かれずに入れ歯や被せ物を調整するだけで終わってしまいます。
そのためいつまでも治らない場合もあります。正式名は萎縮性(いしゅくせい)カンジダ症です。
治療法
唾液が少ないドライマウスの方になりやすいカンジダ症です。人工唾液や抗真菌薬のフロリードゲルやアンホテンシンBなどの薬を処方してもらってください。
②口の粘膜に白い膜ができるカンジダ症
カンジダ症では頬や舌の粘膜の表面に白い苔のような膜ができます。
この膜はこすると簡単に取ることができ、痛みなどはほとんどなくザラザラとした違和感があります。正式名は偽膜性(ぎまくせい)カンジダ症です。
治療法
痛みの症状がないためそのままにして自然に治ってしまう方もいます。治療薬は抗真菌薬のフロリードゲルやアンホテンシンBを処方してもらいます。
③舌の上に膨らみができるカンジダ症
カンジダ症が長期間続いていると慢性化して、舌の上に膨らみを作ることがあります。
見た目には癌や腫瘍のように見えるので心配しやすいカンジダ症です。正式には肥厚性(ひこうせい)カンジダ症です。
治療法
抗真菌薬のフロリードゲルやアンホテンシンBを処方してもらいます。
改善しないようであればイトコラナゾールを処方してもらいます。すぐには改善しない場合も多いので長期的に見ていく必要があります。
④口角炎の原因となるカンジダ症
口角炎の多くはカンジダ症が原因です。唇には唾液が少なく、乾燥しやすいためカンジダ症になりやすい場所です。正式にはカンジダ性口角炎です。
治療法
抗真菌薬のフロリードゲルやアンホテンシンBを処方してもらいます。口角炎はビタミン不足からなる場合もあるのでビタミンB2などが処方されることもあります。
⑤カンジダ菌が増えたことによる黒毛舌
カンジダ菌が増えるとカンジダ菌が出した成分と血液の成分が結びついて舌の表面が黒くなる黒毛舌になる場合があります。
治療法
原因の多くは抗生物質やステロイドを長期間のみ続けていることです。可能であれば薬の変更を主治医と相談してみてください。
近年多い口腔カンジダ症の症状と治療
歯科に関して
- 2016年7月3日