顎口腔領域のスポーツ外傷による後遺症は、肉体的、精神的ダメージとして社会生活を営む上で極めて重大であり、その予防が必要です。
ボクシング、空手、アメリカンフットボールなどの一部の団体のようにマウスガードを義務づけているスポーツ団体と、マウスガードが推奨されるスポーツ競技があり、年々その装着率はわずかであるが増加傾向にあります。
先日、ホッケーを学校で行っていた高校生が、誤ってスティックで顔面を殴られ、上下顎の前歯が複雑破折をし、結果的に抜歯を余儀なくされました。
以前よりカスタムメイドのマウスガードの製作を行っていましたが、希望者が少ないので、マウスガード専用のプレートではなく、ナイトガード用のプレートで製作してあげていました。
今回、ホッケーで顎口腔領域のスポーツ外傷を負った高校生の来院を機に、このようなスポーツ外傷を予防するために、積極的にマウスガードの製作を行うこととしました。
そこで、専用のプレートを準備し、マウスガードの色の選択もできるようにしました。
また、製作法も2層や3層のかなり凝ったラミネートタイプの製作も行っています。
手間がかかるため、2層、3層のものは少し高くなりますが、ある程度希望に沿ったものの製作が可能です。
マウスガードは、試合中に限らず、練習中も使用するようにします。また、普段の練習時から使用することで、マウスガードを気にしないでプレーできるようになります。
さらに、筋力トレーニング時に使用することで、歯の咬耗や歯周組織へのダメージを軽減できます。
マススガードの管理は、使用後でいねいに水洗いして、清潔な強固な専用容器に保管してください。熱湯につけたりすると変形の原因になります。シーズンごとに口腔検診やマウスガードの点検を受けてください。
使用法は、正しい位置に装着して使用してください。ガムのように噛んだり、意識してかみしめないでください。
使用中に咬合面に穴が開いたり、ゆるくなった場合は、直ちに相談に来院してください。
カスタムメイドのマウスガード
歯科臨床
- 2016年2月9日