味覚と生活習慣病の代表である肥満の関係についてお話しします。
肥満とは、正常な状態に比べて体重が多い状態、あるいは体脂肪が過剰に蓄積した状態を言います。
この肥満は、生活習慣病をはじめとして数多くの疾患の危険因子となります。
そして、肥満の人は味覚障害に陥っています。
この味覚障害によって、塩分や糖分、脂などが大量に含まれ高カロリーの食物を好んで食べるようになり、その結果、肥満となるのです。
この味覚障害の原因には、偏食や無理なダイエット、薬剤、心の問題など様々ありますが、一番の原因は、身の回りに多種多様で魅力的な食べ物が溢れていることでしょう。
今の時代においては、人々は自分の好きな食べ物を好きなだけ食べることができ、その結果、味覚が麻痺していき、正しい食物摂取量が分からなくなります。
つまり、味覚障害となって肥満となるのです。
それでは、肥満にならないためにはどうすればいいかについてですが、それは食べ物の過剰摂取をしないということです。
食べ物の過剰摂取を避けることで、糖分や脂肪の摂りすぎを防ぎ、味覚の障害を阻止するのです。
いかにして、食事のコントロールを上手く行うことができるかが、肥満にならないために重要なのです。
では、糖分を摂りすぎると肥満になるのはなぜでしょうか。
実験用ラットを用いた実験では、甘い物を食べ過ぎると、舌の味覚が麻痺して、それが肥満の原因となるという結果がでています。
味覚が鈍感となったラットは、日頃から甘味の強い食べ物を好んで食べ、肥満傾向が高まり、次いで糖尿病が発生するのです。
また、通常は糖分を摂りすぎると、脳から糖分の摂取を抑制する命令が出されますが、肥満の人では、体重が増えるにつれて糖分摂取を抑制する命令が弱まっていきます。
したがって、糖分を摂りすぎると肥満になる理由は、糖分の過剰摂取によって、舌の甘味受容体が麻痺して、必要以上の糖を摂取してしまうことと、糖の摂取を抑制する脳からの命令が弱まってしまうことにあります。
現在のような食べ物に溢れた時代においては、甘い食べ物の種類も豊富で、無意識の内に食べ過ぎてしまう傾向にあるので、自身の味覚が麻痺しない程度に留める工夫が必要でしょう。
味覚と肥満
歯科に関して
- 2015年12月15日